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2014.11.29 (Sat)

乳がん記録48:完走、それからの日々

乳がん治療を完走して、報告だけして、ほったらかしでした。
せっかく記録付けてんだから、記憶を呼び起こしてちゃんと〆ます。

といわけで放射線の残りの日々から。

残り数回になったところで、
治療中に放射線の女医さんがいる曜日が最後になったので
面談しました。

この期に及んで、まだ肌の色が変わらないことなどを報告。
先生も首筋のあたりなどを見て「ほんとだ」

あと私は胸と首と両方かけているのに、
線量の総量が、通常の胸だけの人と変わらないのはなんでかと聞くと
回数ではなく、範囲が広くなるだけで、
乳がんの人がかけていい既定の量は同じなのだと言われました。
ほかのがんの人だと、また量が違うんですって。
そんなもんか、と納得。

先生が「今も闘ってるんですか?」と聞く。
「やってますよ!
先生、こないだからプログラムが変わってね!
今はミットにパンチできるんですよ!!楽しいですよ!」
「わあ聞いてるだけで、擦れて痛そう」
「私も心配だったんだけど、今のところそれもないのでやってます」
「ムリしないでねー」

終わりが見えて、連続の日課が急に途切れることで
不安になる人もいるらしい。
せっかく長い治療が終わるというのに、
空白が生まれて不安になるなんてバカみたいだなあ。
平日、会える友人に声をかけ、
外来の終わったその日にランチすることにした。
週末は旦那とお祝いでディナーだ!
ゴールに楽しい予定を入れることで、
最後まで走り抜ける力にターボをかけた。

放射線はそのあとも問題なく続き、
とくにこれという感動もなく無事に終了しました。
そしていつもと同じにそのまま仕事へ。

翌日、久々に朝から出勤し、
「治療全部終わったんで、今日から普通に出勤します」と
関係諸氏にご挨拶。

その翌日は休んで、外科の先生の外来。
放射線の最初のころにとった血液検査の結果はまるで問題なし。
「うん、健康ですね」
「先生、放射線終わったけど肌の色がぜんぜん変わらないです」
触診の時に確認した先生も「あ、ほんとだ」

ただ一つ気になるのは、右腕の血管の固まったところが
依然として固まったままなこと。
「そうだねえ。
あまり力をかけたり無理しないようにね。マッサージも有効だから」
とりあえずあっためたり、かるくマッサージしてみたほうがいいのかなあ。
このままではテニスができない。

「次は1か月、だと短いし2か月だと不安かもしれないから、1か月半後。
あ、25日だけど忙しいかな」
「忙しいですよ!!」
でもまあ病院だからな、休みもらうか遅刻していこう。
というところで診察は終わり。
「これで一区切りですね!やったー!!」
思わずバンザイしてしまいました。

そのあと、東京まで出て友人と楽しいランチ。
一緒にお祝いしてもらいました。

メールであちこちに「治療終わったよ」と報告。
とりあえず飲み会は来年だな。
12月はもう遊びに行く予定がいっぱいだ。

週末、旦那とイタリアンなど食べに行く。
こんなときくらいハイボールやチューハイじゃないやつを。
ニンニクのトマトスパゲティーやらてんこもりのサラダやら。
赤ワインを飲みながら、
こんなに体に何の影響もない状態で、
おいしいものを食べて飲んで、
治療の終わりをお祝いできるとは思わなかったな。
なんてシアワセなのだろう。

旦那は、リンパ節郭清したときに見せられた組織が
「ちょっと」といいつつ、そのちょっとがかなりの量だったので、
やっぱり取っておいたほうがよかったんだよ、と言った。
今は郭清したことによる影響はないし、
毎日リンパマッサージしてるし、
この先年取って体が弱ってきたらわからないけど
でも残さなかったことで不安がなくなったほうが大きい。
あのときジタバタした分だけ、今の状態はちゃんと受け入れられる。

週明け、職場にお菓子をもっていく。
長い治療が終わったことと、迷惑かけたことのお詫びと
理解して配慮してくれたことの感謝の気持ち。
「そんなお菓子なんて持ってこなくてもいいんだよ」
と言ってくれた人もいるが
「いえ、これもアピールですから」
病気してても仕事してたし、治療も無事に終わることができた、
そういう職場でよかったね、って思わせないとね。
ほかに同じ部署の直近の社員さんやパートさんに個別にお菓子を渡す。
この人たちが一番大変だったからなー。
ご迷惑をおかけしました。

これで私のけじめもついた。


そんで。
終わってからもう2週間以上が過ぎたわけですが
えっまだ2週間くらいしかたってないの?が正直なところ。
昨日、職場の勤務表を〆ていて、
まだ今月の頭は放射線やっていた乳がんの人だったのかと気付いて驚きました。

今それらしい痕跡は、
右腕の血管の跡。
首筋が、格闘系エクササイズで暴れたことで擦れて少し赤くなったので
着るものを配慮して、保湿したことで、大過なく治まっています。
まゆげは、書かなくても大丈夫なくらい生えてますが、一応整えてます。
髪の毛は、均一だった毛並みに、徐々に主張が出始めています。
白髪は元気にぴんぴん伸びてるし(なんでだ!)
触るとなんか方向性のようなものがでてきてる。
まだズラを取るような段階ではないですが、先が思いやられます。
育毛剤とか使ったほうがいいのだろうか?
爪がちょっともろくなっているのは、
身体が影響を受けていた時に作られた部分が、
爪先にまで伸びてきたせいなんでしょう。
体重は、1キロ減ったと思ったら、飲んで食べたおかげで
また1キロ太って焦りました。
おかしい、もう薬の影響はないはずなのに(涙)

あとはこれといって思いつきません。

また1年とか区切りがついたら
振り返ってみたりするかもしれませんが
今のところ、無事に日常生活にランディングできたので、
↑を自分の目で見るときくらいしか、
乳がんであったことを思い出すことはない、かな。
やりきった感はありますよ。

というか、思い出して広げて眺めてるほどヒマじゃないんで。
今は中田裕二クンという素敵なアーチストの存在があって
毎日楽しく盛り上がってるし、
12月にはRYUMEIさんに会えるし!
クリスマス前には芝居や、年末にはジョナベルのライブもある!
年賀状だってあるし、そこそこ掃除はしないといけないし。
日常生活を送るだけでいっぱいだ。

ただ治療を終わった今、思うのは
自分の身体や、周りの人の気持ちや、環境を変えるよりも
自分の頭の中を変えるほうが、一番簡単だということ。
どんなことでも前向きに捉えなおすことで、
いろいろな負担が軽くなる。
自由になる。力が出る。

それと、
思いがけず、自分がたくさんのひとから好かれていたのだと
はっきりと分かった、というのが
この病気になって一番、収穫があったことだと思います。
みんなの支えがあったからここまで来れました。
感謝の気持ちでいっぱいです。
でもホント、びっくりでした。今でもどこか信じられない気持ちです。
ワタシこんなに好き勝手に生きているのに。
ありがとうございました。

こっから先は、アフターケア。
私は乳がん患者ではなく乳がんサバイバーとして生きていくのだ。

報告はまだまだ続きます。
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13:19  |  日々是乳癌  |  トラックバック(0)  |  コメント(6)

2014.11.27 (Thu)

中田裕二「BACK TO MELLOW」蛸足的レビュー

****************

コメント欄に、sakiさんによる臨場感あふれるインストアライブレポがあります!
そちらも必読!

****************

「BACK TO MELLOW」繰り返し聴いてますよ。
今は、夕飯作りながらとかアイロンかけながらとか
たんにPCのところで呑みながらとか
そんな状況でも聴いてます。
ランダムに流すと、自分の好みがまた浮上する感じがします。

このところはずっと
「SONG COMPOSITE」と「アンビヴァレンスの功罪」を
並行して聴いていたので
今回の新譜もすんなりと耳に馴染みました。
この短期間の間に、中田クンの作る楽曲、サウンドが
すーっとしみこむ体になっていました。
元気さいっぱいの「アンビヴァレンスの功罪」よりも、
MELLOWに傾いた本作は、
ちょうど「SONG COMPOSITE」との中間にあるような感じで
バラエティに富んでいて良かったです。

「薄紅」がね、素晴らしいです。
泣けますね。
YouTubeで2回ほど聴いていたけど、
やはりそういうもので聴いているのって、
どこかで軽く扱っているんだよね。私の中で。
CDの流れの中で、あのフォークギターのイントロがつややかに聴こえてきたときの
ゾクゾクするような感じ。
たまらなかったです。
メイキングの中で言っていた「普遍的な曲」、まさにその通り。
でもそう思ってもなかなかその通りには作れないよね。
日本的な情趣がありつつ洗練された今の曲。
丁寧で広がりのあるアレンジは、曲にいい感じの重さを与えていて、
このアルバムの中で際立った存在感を持っています。
間奏の民族楽器のような音も効いてます。
「バンドではできない」音とスケール感は、アルバムならでは。

まだまだ聴きこんではいないけれど
「薄紅」と並んで好きなのは「サブウェイを乗り継いで」ですね。
ドラムの軽快な音と、どんどんパーカッションがにぎやかになって
幸せになっていくアレンジ。
歌詞とか無関係に(なのか)、このアレンジだけで存分に味わえるような曲。
どんな音がするのか、耳で探ってしまう。
まあ「アニキの愛の巣にころがりこんだ弟」って設定の中田クンはカワイイけどね。
水色の電車は私が東京に出るときに乗っています。

かっこいいなあーと思うのは「PURPLE」
「愛の摂理」はギターの音が気持ちいい。
ラストが「LOVERS SECRET」ってのもいいなあ。バラードじゃなくてね。
フォーンの入った華やかなアレンジはどっか昭和の懐かしさがあります。
久保田利伸っぽい軽やかさ。
苦手なのは「髪を指で巻く女」かな。
タイトル見た時にはえつこさんぽいなと思ったんだけど、
実際歌詞の中にはそれっぽいところもあるんだけど、
聴いてみたらぜんぜんしっとりしてない。
ちょっとこのノリは恥ずかしいです。

何も考えていないときは、
頭の中でなんかしら曲が流れています。
夜中にトイレに起きるときも、
ずっと流れていたかのように頭で音が再生されてて笑ってしまう。
相変わらず、映像っぽいものや歌詞が見えてくる感じはそんなないんですけど。
でもアレンジの細かなところとか、こんな楽器入ってるんだ、とか
そういうのが見えてきてます。

メイキングDVD

私の好きなところはですね、
ソロライブの最初のほう(LPレコードとかいっぱい詰まってそうな場所)の
髪型がツボです。
ライブの時だから、わざとなんだろうけど、
寝癖のような無造作ヘア。
「MIDNIGHT FLYER」のときの、スーツでメガネでボサボサ髪ってのも
「こういうの好きでしょう」って出されて「ごめんね!好きだけど!」
とまんまと喜んでるのが悔しいんだが。
寝癖好きのオバサンをからかうのやめてくんないかなあー。

その次に出てきた、ブルーのスーツのライブ映像。
「決めないでやる」「リクエストをもらって」な言葉を聞くと
つい1年半ほど前まで、
当たり前のように楽しんでいたRYUMEIさんのライブを思い出して
切なくなります。
それはともかくとしても、
あんな(小さそうな場所で)至近距離で、
伸びやかな声を聴けるライブってのはやっぱいいですね。
テーブルにビールが置いてあるのも、カジュアルな距離感でいいし。
(タバコは吸わないのかな)

ウッドベースの方、綾野剛に似てますね。
「サブウェイを乗り継いで」のパーカッション、
あの音こうやって作ってるんだーと興味深かったです。
「薄紅」のMV撮影した、小京都っぽい場所、飛騨古川かな?
なんか見覚えのある街並みでした。
最後のほうで、ギターの部品をコロコロ転がして慌てる映像とか
入れてくるのがズルいんだよなーっ。

とりあえずこのへんでアップしときます。
そろそろ椿屋のCDにも手をつけねば。

タグ : 中田裕二

23:11  |  中田裕二  |  トラックバック(0)  |  コメント(54)

2014.11.22 (Sat)

インナーキャップの応用編・帽子をいろいろ手作りする!ジムでも大丈夫編!

乳がん治療中のケア帽子、ヅラの中に仕込むインナーキャップとして
試行錯誤を初めたキャップ作りも、
いよいよ最終形態です。

ここまでの経緯はこちら。
ヅラ内にかぶるインナーキャップが高いので、
あったまきて自作したのがこちらの記事。
→ 乳がん記録25:フルウィッグの猛暑対策!インナーキャップを手づくりする!
髪が抜けて、市販のキャップが合わなくなってきたので、
フィットするキャップを作りだだしたのがこちらの記事。
部屋でかぶったり寝るときかぶるのはこちらをどうぞ。
→ インナーキャップの応用編・帽子をいろいろ手作りする!
治療中でも体を動かしたくて、外にかぶっていけるキャップの第一弾はこちら。
→ インナーキャップの応用編・帽子をいろいろ手作りする!外出編!
作り方はないけれど、そのあと作ったキャップの画像有。
→ 夏の終わりのワンピースと手作りケア帽子

私は乳がんの治療中だったときも、
薬と関係なく、単にじっとしてることで具合が悪くなったりしてる気がしたので
積極的にジムでウォーキングしたり、スタジオのエクササイズに参加したりしました。
体調不良な中でも、体を動かせば消えていく不調もあります。

思い切ってジムに行って運動したい!
ヅラかぶっててズレるのが気になる!
そもそも汗かくからヅラなんてつけてらんない!
髪の毛ないのくらい、気にしない!
(でも周りの人がビビるから、隠しとこう)

な人におすすめの、
かぶっていても、
見た目も、運動しても気にならないキャップを作りました。
画像でだけは紹介していたのですが
今回、また新しいのを作ったので、図解付きにしてみました。
キャップ作り方10

布は綿100%で、バンダナくらいの厚さのものを使ってください。
あまり厚みがあるとうまく結べないし、
てぬぐいのように薄すぎると、透けて見えそうなので。(色が濃ければ大丈夫かな)

カットする布は3つ。
長方形の布は、1枚で取れない場合、2枚を継いでください。
今回は、うなじ部分をカバーする布を追加します。
(どれも大雑把なサイズなので、自分の頭にあわせて調整してくださいね)
縫い代込みのサイズになってます。

キャップ作り方1
かまぼこの布は、こんな感じでカットしてください。
キャップ作り方5
まず①を三つ折りにして縫います。(耳を使うなら不要)
次に②をぐるっと三つ折りにして縫います。
ここからゴムを入れて(③)しぼるので、曲線の縫い目がよれよれでも大丈夫。

長方形の布も、ほつれないようにまわりを折りふせ縫いします。
これも耳を使う場所は縫わなくてOK。
かまぼこ布の上から重ねて、10センチくらいまで適当に畳んで
しわを寄せます。
キャップ作り方8
↑この図だと、下も縫い付けるようになってるけど、
両脇だけ縫うのでも大丈夫。

uzucap6.jpg

次にうなじを隠す布を付けます。
キャップ作り方9
uzucap44.jpg

ここでなんで斜めに縫うかというと、
まっすぐなままつけると、幼稚園児の帽子とか日本兵の帽子のような感じになって
カッコ悪いからです。

↓かまぼこ布につけるときに
先ほど縫っていなかったところを内側に折りこんで縫います。

uzucap5.jpg

uzucap77.jpg

こんな形になります。
長方形の布の下を縫っていないときは、
中央部分を少し縫いとめると、
洗濯したあとに布がひっくり返るのを防げます。

そのあと、ゴムを入れていきますが
切ってからだと入れにくいので、
長いまま通して、適当なところまで絞った後で、
縫い付けてカットしてください。

インナーキャップ6
(画像再掲)

uzucap1.jpg

じゃん。

uzucap3.jpg

uzucap2.jpg

私、これかぶって、ジムで格闘系エクササイズやってますが
素頭にかぶって、ずれることはありません。
汗もちゃんと吸収するし、快適ですよ。
そうまで激しくなくても、
ヨガやらウォーキングやらの運動の際に使ってみてほしいです。

もちろん、治療やスポーツと関係なく、
手ごろなグッズとして、男女問わず使ってもらえたら嬉しいです。
ハギレで十分に作れるしね。

最近、インナーキャップ、手作り帽子、バンダナ帽子などで検索に来る方が増えたので
このページを作ってみました。
分からないことなどあったら、コメントでもメールフォームでも
お気軽に質問してくださいませ。

テーマ : ハンドメイドの作品たち - ジャンル : 趣味・実用

タグ : インナーキャップ 手作り帽子 ケア帽子 バンダナ帽子 乳がん 手縫い

14:40  |  趣味の針仕事  |  トラックバック(1)  |  コメント(0)

2014.11.17 (Mon)

中田裕二「SONG COMPOSITE」蛸足的レビュー

蛸足で久々に盛り上がりを見せている中田裕二クン。
カバーアルバム「SONG COMPOSITE」のレビューをせよと
いわき方面よりバックアップ版wが届いたので
お届けします。

************
蛸足と中田裕二来生たかおの出会いについては、
コチラを参照!(カテ・来生たかおに入ってるので)
→ The Covers:来生さんの歌をカバーする、いまどき感心な若い人
2015.11.21 中田裕二カテ新設しました。
************

毎度、新しいCDを聴くときは、
ゆっくりと時間をとってしっかりと聴きたい&
2,3回目までも、それなりに襟を正して聴きたい、ために
えらい時間がかかってしまいました。
最近は、ようやく何かをやりながら流す、という域にまで来たので
新譜発売前に駆け込みレビューなどしようかなと。

中田クンを初めて見たのはNHKの「The Covers」で
ちゃんとアルバム聴くのもこれが最初。
→ The Covers:来生さんの歌をカバーする、いまどき感心な若い人

従来のファンからすれば、いまさらな話が山盛りあるでしょうが
いち来生ファンが、その流れで聴くとこうなるよ、
な感じで読んでいただければよろしいかと。
もう前置き長いっす。

この先も、また長くなったのでたたみます。

タグ : 中田裕二 来生たかお

21:05  |  中田裕二  |  トラックバック(0)  |  コメント(8)

2014.11.15 (Sat)

本棚:ジョナサンベル・スペシャル!

ずいぶん前に読み終わって、
書くのもほとんど出来上がっていたのですが
最後に残ったDVDを見ていなかったので
えらい時間のたったアップになりました。

今回のラインナップは、バンド「ジョナサンベル」のみんなが選んでくれた本。
感動的な詳細はこちらを見てくれるとうれしいです。
乳がん記録20:ジョナサン・ベルからもサプライズ!

自分では手に取ることがなかったであろう本の数々。
しかも最近はほとんど読んでいなかった小説ばかり。
せっかくなので、めいっぱいかき回してから積み上げて
上から読みました。
読むのは作家名とタイトルだけ。
紹介文もあとがきも一切読まずに
先入観をいっさい持たずに読みました。

今さらながら、
自分の知らない面白い本を教えてもらうって楽しいですね。
3人3様のセレクトなので、ジャンルも様々。

『ワイルド・ソウル』:垣根涼介(21.11)
宮内さんセレクト。
初出は2003年とか。
ブラジルW杯の前に読んでよかったなと。
1960年代のブラジル移民政策の実話をベースにして
積み上げられていくエンタテイメント。
第1章に書かれていることが、それほど昔ではないころに
現実にあったんだと思うと、知らないことの罪悪感を感じるし、
小説という形で知らせることの意義を感じた。
小説の中で起こることを思えばさらに。
病院の待ち時間や電車の中で細切れに読んでいたのだけど
ものの数行で、すぐに小説の中に入りこめてしまう。
計画を遂行するために周到に準備されていく様子も
この話を進めるために作り込まれているという感じがまったくなく、
そこにいろいろな人物がからんで、視点が増えて行くのがまた面白い。
下手なつじつま合わせミステリとは全く違う。
スタートにある現実の重さはあるけれど、
一方でエンタメとしての面白さもしっかり。
イヤな読後感もなく、むしろこんなになくていいのか、くらい充実した気分。
文庫上下巻のすごいボリュームでしたが、中だるみもなく、
ブツ切れで読んでも十分に濃さを味わえました。
「鼻毛野郎」がインパクト凄くて頭から離れません。

『穴』:ルイス・サッカー(06.12)
小林さんセレクト。
小説が発表されたのは1998年。日本で刊行されたのは1999年。
少年矯正施設で、毎日穴を掘らされる、というと
何かヤサグレた内容かと思ったが
どこかほのぼのと淡々とした文体が面白い。
主人公は無実だけど、周りの少年や大人たちは一癖も二癖もある連中。
少年の共同生活的な面白さと、信用しきれない関係。
随所で挟まれる、過去のエピソードは、
それぞれ遠く絡み合ってくるのだけど
単独でも味わえる面白さ。
読んでいる側はそれが繋がっていくことを知ることができるが
穴を掘っている少年はそれを知らないんだなあ、と思うと不思議な感じだ。

『第七感界彷徨』:尾崎翠(09.07)
カクロウさんセレクト。
初出は1931年。
作家の名前だけは知っていて、そのうち読んでみようかと思っていた。
(今回、唯一知っていたのは、この作家名だけ)
読みにくくはないけれど読んでいて不思議な感覚になる文体。
時代の雰囲気なのか独自の文章なのか。
兄弟・従兄弟らしい関係なのに、ここも不思議な距離感。
分裂症の研究・蘚(こけ)の研究を語りながら
個々の恋のようなものも見えて
どれも恋愛になっているのかいないのか分からない
形のない気持ちが全体にふわふわ漂っていて
読み終わって後も捉えどころのない感じがあるけど
決して不快ではない。
こういう文章は、今は書けないのでは。

『ぼくらは海へ』:那須正幹(10.06)
小林さんセレクト。
初出は1980年。
最初、児童文学とは知らずに読み始めたので、
「少年、海、筏」とお題が揃ったところで、
イヤ~な予感を持ちつつビクビク読んだ。
そのうち、子供たちだけで海にのりだして筏が転覆して、
な展開があるんじゃないかと思うと、
少年たちが無邪気(でもないか)に筏づくりを進めて行くシーンも、
単純には楽しめない。
でも、子供同士の縦・横の関係や、
それぞれの性格や家の事情などの背景を読み進めながら
学校を超えた場所で、
一緒になってものを作る中で生まれるもの、は良いなあと思う。
終盤、自分の予想を超えたところの事件と、経過と、最終章は
衝撃的だったけれど、
読み終えた後はどこか気持ちの良さもあり。
そのあと、あとがき・解説を読んで
これが児童文学として発表されたと知り、そう思って読んだ人にとっては
ちょっとどころではないインパクトがあったんじゃないかと。
さらに、この作家が「ずっこけ三人組」の人だと知って、さらにビックリ。
私はそのシリーズを読んだことはないけど、
それだけの著名な人が書いた作品としても
問題作なんではないかなあ。
読み終わって、
そういえばパーソナルな電気機器が一つも出てこなかったなと気がついた。
子供たちは家・学校・塾・その他の場所で、
それぞれの人間関係を作り悩んでいる。
今は個人の家電のせいで、
別の人格になれる場所はどんどん少なくなっているような気がする。
まあ子供がいないので、ただの憶測ですが。

『スターガール』:ジェリー・スピネッリ(11.06)
小林さんセレクト。
2000年の作品。
今回、唯一、最後まで入り込めなかったかもー。

結局、個性ってのは許容できる枠の中でだけ許されるもので
空気を読むことがとても大事ってことなのかなあ。
彼女が誰にも似ていなくて、魅力的であるのは間違いないのだろうけど、
飛び向けた個性は、自分のごく近い位置にいると話は別。
彼女のことが好きでも、恥ずかしくない程度に留まっていてほしいし
周りから認められないような状態は望ましくない。
まあ、自分とは遠いところにいて、
あとで思い出す分にはネタとして上等、ってことなのかなあ。
結局彼女がナチュラルなのか、そうでないのか、
気にしているのか気にしていないのかがよく分からない所が
また読んでてブレちゃうんだろうなあ。
受容と拒否のタイミングが、自分の感覚と合わないままに展開されるので、
置いてきぼりを食ってしまう。
たぶん、ここが自分のテンポと合えば、
この展開にわくわくして乗っていけるのだと思う。
日本だけでなく、子供って窮屈な場所で
けん制しあってるんだなあなんてことを考えてしまった。
秘密の場所のシーンは、色合いとかスケール感とか静けさとか
思い浮かぶ映像が美しくてよかったな。

『幻影の書』:ポール・オースター(11.10)
カクロウさんセレクト。
2002年の作品。
主人公と、無声映画の俳優の二人の人生が並行して語られる。
今起こっていることを追っていく記述よりも、
かつてあったことを説明する形での記述が多く、
読みながら、何気なく説明される小さなエピソードにドキッとしたり。
実在しない映画の詳細な描写もすごい。
しかし女性が絡むと一気に話が劇的に展開するんだなーと感心してしまった。
最後はもやもやした気分が残るが、
最初から最後までみっちりと濃い内容だった。

『さすらい』:東山彰良(09.05)
宮内さんセレクト。
単行本は2006年発行。
ヤロー3人なら3バカだが、4人集まればスタンド・バイ・ミーくらいにはなれる?
(あんまり映画よく知らんけど)
4人それぞれの置かれた環境、これまでの生活、親子関係、性格、
あまりにインパクトがありすぎるが、ハナシは淡々とポップに進む。
いじめられっ子の少年に、それぞれ一家言持ってるあたりが
一つの読みどころでもあり。
共感しようにもするポイントがないムチャクチャな設定だけど
これでも友情だったり信頼だったりくされ縁だったり、
意識されない、しないような奥底のほうにちゃんと存在する、
のかもしれない。
垣根涼介(一番最初に読んだ作家。ここで円環するとは)の解説を読んだら
興味が出たので、図書館で『路傍』を借りてみました。

なところで。
ジョナサンベルのメンバー3人セレクトの本7冊読了です!
久々に小説読んだけど、面白いねえ。(何言ってんの)
知らない世界に入りこんでいく感じとか。
具体的なエピソードの中に、真実を見るような。
説明ではない形で、世界や人の気持ちや関係性や、
いろいろなものの姿を描き出すような。
私が音楽の歌詞を聴く時に感じる好ましさが、小説の中にもあるんだなーと。
私は即物的な本ばかり読んでいたので、
なんだかとても新鮮でした。

面白いのは分かったけど、
でも小説を自分で探すのって難しいよなあ。

最後はDVD。
『アリゾナ・ドリーム』:エミール・クストリッツァ監督(1994)
若き日のジョニー・デップがかわいいのなんの。
ぼさぼさの髪にだらしなく開いた口、ぷくっとした顔に
子供っぽさが出てていい味してます。
不思議な映画でしたねー。
なにがどう、と説明できないけれど、いろいろなシーンが心地よい。
発端があって結論へ向かって進んでいくような映画ではないので、
見る人によっては何が言いたいのかわかんなくてイヤかもしれない。
でも別に説明できるようなことだけで映画を作ってもしょうがないよね、と。
映画館に紛れ込んでくる犬や、ストッキングでは自殺できない、とか
タバコ一度に3本吸うってそういや見たことないな、とか
不思議に印象に残るシーンもいろいろと。
二人の女性も、それぞれにかわいい、と感じるところもあるが、
アクセル(デ)が結局この二人に対してどう思っていたのかが、よくわかんない。
けど別にわかったらどうなんだ?とも思う。
あ、これはコメディ映画です。
随所でゲラゲラ笑いながら見ました。
あとからあのシーンまた見たいな、と思う感じの映画でした。
おまけ:
映像特典の未公開部分や「幻の」CMなどの映像のほうが
雄弁なセリフ、わかりやすい説明が入ってた気がするな。

というところで、
ジョナサン・ベルからいただいた、素敵なプレゼントのレビューはおしまいです。
なんでこんなにアップに時間がかかったかというと、
コウイチさんがセレクトしてくれたDVDを見るのに時間がかかったからです。
本は移動中に読めるのだけど、
DVDは、私の日常の中で時間を獲得するのが非常に難しいもの。
暇がないんじゃなくて、急いでみないといけないもの(サッカーだのテニスだの)
が山とあるためでございます。
スマン。

またなんか「これおすすめだよ」というのがあったら
懲りずに教えてください。
「合わない」とかいうかもしれないけどw

テーマ : 最近読んだ本 - ジャンル : 本・雑誌

タグ : ジョナサン・ベル

11:11  |  蛸足図書室  |  トラックバック(0)  |  コメント(2)

2014.11.12 (Wed)

ストライクボクシングでミットに10連打!

8月からジムに本格復帰、したのだけど
休んでいる間に火曜のエクササイズは、
「リズムファイトシェイプ」というプログラムに変わり、
さらにインストラクターさんの体調不良で、
10月からまた新しいプログラム「ストライクボクシング」に変わることになった。

今度は、グローブはめて、ミットに実際にパンチできるのだ。
そのかわり、足技がなくなる。
それを聞いて、え~回し蹴りできないのお~、と不満だったのだが
実際、やってみたら、これが意外に面白かった。

まずグローブが重い。
構えているだけで、けっこう負荷になる。
そして暑い。夏だったらかなりしんどそう。
今までエアでやっていたのを、
実際に先生のかまえるミットに当てる、となると
腕の方向、指の位置、力加減、いろいろと考える要素が増える。
ちゃんとやらないと痛いしね。
拳握るときに、中に親指入れちゃダメって
こういうことかーと、実感しました。

動きは簡単なコンビネーション。
最初はワンツーで体を慣らしたところで、
徐々に、ワンツー、ダッキング(しゃがむ)、ジャブ2回、ストレート3回、とか
音楽に合わせて一連の動きをやっていく。
先生が順番に回って行くので、実際打つのは1曲の間で4回くらいなのだけど
自分の番ではない間は、ずーっと同じアクションを続けていくので
頭はそれほど使わないが、体にはジミに効く。
足も、蹴りはなくても、ずーっとフットワークをしてるので、息も上がる。
でまた、センセを前にすると、こんな簡単なコンビネーションでさえ出来なくなるんだよね。
失敗するとやり直させてくれるので、ま当然、時間はその分伸びるわけです。
だいたい15人くらいでやってるので、
思いのほか長いこと、動き続けています。
最後の曲では、コンビネーションをやりながら、センセが来たらミットに10連打!!
自分のスピードでバシバシとジャブクロスを打つのは気持ちいいです!

レッスンも1か月以上が過ぎて、
おかげさまで、上半身がかなりすっきりとしてきました。
2週間ほど前からは、薬(ドセ)の影響も完全に抜けたようで
むくみが取れて体重が1キロ落ち、
身体がぐんと軽く動くようになりました。
今日はさらにもう1段上がって、往時のキレが戻ってきたし!
スパスパ動く自分の身体が気持ちよくって楽しいのなんの。
足技があったらもっと面白いんだけどなあー。
これであと1キロ痩せたら言うことないんだがなー。

今回の先生は男性で、アマチュアでキックボクシングの試合をやっているらしく、
細身で筋肉質な体つきで、
ボディやアッパーのコンパクトな動きも本物なのでかっこいいです。
そのセンセに私「フォームがきれいですね」って褒められてんのー。へへへー。

調子こいて、これからもガンガン動いていこうと思います。

グローブ

指が入っちゃった。
軍手はめて、これつけてます。
ロケットパンチみたいでちょっと笑えます。

タグ : ストライクボクシング

00:07  |  蛸足格闘部  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2014.11.11 (Tue)

乳がん記録47:本日全行程を終了

放射線治療25回が本日終了。
これで私ができる治療のすべてが終わりました。
2月の手術、4月から9月までの抗がん剤EC&ドセタキセル、10月からの放射線。
トリプルネガティブの私は、ホルモン治療もハーセプチンも無関係。

あさっての木曜に主治医の外来。
ここを私が決めたゴールとして、
完走するまであともう少し。
ゴールしたその先にはご褒美が待っている。

振り返るにはまだ早い。

とりいそぎ、治療終了の報告でした。

テーマ : 乳がん - ジャンル : 心と身体

タグ : 乳がん 放射線治療

22:39  |  日々是乳癌  |  トラックバック(0)  |  コメント(5)
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