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2011.12.10 (Sat)

本棚:『熊にみえて熊じゃない』ほか

あいかわらず突然あらわれる蛸足図書室。

『熊にみえて熊じゃない』:いしいしんじ(10.03)
いしいしんじ、という名前は目にしていたが、読んだのは初めて。
途中であとがきを見たら
「クロワッサン」に連載していたエッセイをまとめたものらしい。
クロワッサンだとう?と思いつつ
(↑読んだことはないが鼻もちならないスカシた雑誌に違いない)
不思議に柔らかで味のある独特の文章が気持よかった。
くたびれた頭にちょうどいい緩さと手ごたえ。
おいしいもの、美しい風景、面白い人たちを描く言葉の選び方に
彼の感じ方がそのまますんなりと現れていて新鮮だった。
「魚と少年」「終点の酒場」でグッと世界に引き込まれ
「男はア、タ、マ」「鍵あいてます」のシュールさに爆笑し、
「山と鴨せいろ」「小説の教室」で素敵なものに出会った。
「猿田さんに」は忘れられない文章になった。
といいつつこの文章で小説を読んでみたいとは思わないなあ。
現実の、まさに「熊にみえて熊じゃない」感じが魅力的な本でした。

『見仏記 ゴールデンガイド編』:いとうせいこう みうらじゅん(09.04)
とりたてて読みたいものがないと、違うジャンルの棚に足を延ばしたりする。
久々に読む見仏記シリーズ。
3まで読んで、その後も続いていろいろ出てたようだがスルーしてた。
初版の日付は新しいが、内容は2003~2004年にWEBで連載されていたものらしい。
ちなみに、私の書棚であるF橋市立東図書館は
見仏記1は随筆・エッセイの棚に、
見仏記2仏友編は美術書の棚に、
見仏記3海外編は旅行記の棚にあった。
素晴らしい配架だと思う。
私はこのシリーズは、「みうらじゅんのイラスト」と、
いとうせいこうが書く「みうらじゅんの言葉」を読みたくて読んでる。
宇治の平等院の拝観が時間制になってチケットをもらうというくだりで
「うわっ、もうライブじゃん」と言って盛り上がった、というのに爆笑してしまった。
いとうさんの文章はちょっとなあ、言葉の選び方とか論理や考察の範囲が
頭でっかちの高校生が書いてるみたいでちょっと苦手だ。
彼は目の前にある現実の仏像を見ずに、
頭の中で知識や思想をこねてたわむれてしまう。
なぜ、そこまで出かけて、今目の前にいる素晴らしい仏像そのものを見ないんだ、
といつも歯がゆく感じる。
この本はゴールデンと言いつつ、
マイナーな場所にある、見るべき仏のガイドになっていた。
最後に紹介された浄土寺の阿弥陀三尊は、多分写真では見たことがあると思うが
実際に西日のあたる状態で見てみたいと思った。
建物の構造まで取り入れて来迎の状態を具現した三尊は
きっと素晴らしいものに違いない。

『スットコランド日記 深煎り』:宮田珠己(10.08)
以前読んだものの続編。
言葉の選び方、表現の仕方が微妙におかしい。
適度なユルサで頭使わなくて楽しめます。

『本の現場 本はどう生まれ、だれに読まれているか』:永江朗(09.07)
04年~07年に書かれた記事+補足。
電子書籍に関する本を読んだ後でやはり古い感じはする。
ネットの影響がこれ以降どこまで進んでいるのか。
本を読むって形はそう簡単に変わらないだろうが
本の形で出てくるものはどんどん変わっていくのかも知んない。
なんて本屋に行っても洋裁の本しか最近見てない私。
もっとうろうろしないとなー。

『本当はちがうんだ日記』:穂村弘(05.03)
気持の揺れ動きをたくみに拾い上げるところは、
やはり歌人の感性で、
この細やかな文章が男性ものというのがすごいなーと思うんだが
ときおり「総務部長」とか「40過ぎて」な言葉が入ってくると、うッと詰まる。
この微妙な頼りないふわふわした気持の外見が突然現れて
いいのか、これで、と思ってしまうが
自分だってそう大差ないではないかと思いなおす。
「みえないスタンプ」は傑作だった。

今回はタイプの違うゆるゆるしたおじさん達の本を読んでみました。
(永江朗は違うかw)
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