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2012.04.06 (Fri)

本棚:『カキフライが無いなら来なかった』ほか

去年の暮れあたりから読んでいた本ですな。

『マドンナ・ヴェルデ』:海堂尊(10.03)
読むもんが手近になったので、
旦那が借りてた本を読んだ。

最近はほとんど小説を読まないんですが
これって「面白い小説」として世間的には通ってるんですかね?
エンターテイメントなんだろうけど、
テーマとかプロットありきで、キャラクターが都合よく合わされてる感じで
厚みがないよなあ。
この計画の首謀者であり娘であり医師である理恵がなんでこんな性格で、
考え方をするのかさっぱり分かんない。
「クール・ウィッチ」とか付けときゃ説明になるとは思えんが。
母親の方も、もっと肉体的な負担とかハプニングとかあってもいいのにそこはスルー。
かかわってるのは「日本のトップ」だからなんも問題ないってか。
「子供の扱い」の問題だけに絞られてるのも、
このテーマを書きたい作者の都合にしか見えないし。
繰り返し出てくる料理の手順や俳句などは、
「あたたかな人間性をもった普通の母親」ですよ、と説明してるのか。
母親が海外に住む義理の息子に書く手紙も、
クライマックスのヤツは文章整いすぎでは。
論理で納得させられる義理の息子も、都合のいいキャラだよなあ。
そこで騒いだりゴネたりすると話が進まなくなるもんねえ。
ユミの描写もありきたりというか。
見た目ギャルでも実は素直で一番核心をついてくる、
なんてステレオタイプすぎる。
何がどう解決になってんだか分かんなくて、
ラストの「どこの世界にこんな解決策を思いつく人間がいるんだろう」
っておまえだろ!
と突っ込みつつ、読んでる方は置いてきぼりだ。
多分、シリーズものなんだよね。
使われない山ほどのエピソードは、
きっと他の本を読んできた人の心をくすぐってんでしょうね。

ドラマ「カーネーション」を見ながら読んでいたのも、
この本が都合よすぎると思った要因の一つだろう。

『窯変源氏物語』:橋本治

源氏編のあとに続く宇治十帖。
恋の出来ない頭でっかちのええかっこしいの苦悩が続くので
読んでいてイライラするというか。
また何年か寝かすと面白くなるのかもしれないが
やはり源氏編のダイナミックな展開のあとではなかなかね。

評論『源氏供養』も続けて読んだのだけど、
橋本治の文章は、頭に入らない時はぜんぜん入らないので、
今回は読了できず。

ここらでゆるーんとしたものが読みたくなったので
久々に詩短歌俳句なコーナーをうろつくと気になるタイトル。

『カキフライが無いなら来なかった』:せきしろ×又吉直樹(09.06)
『まさかジープで来るとは』同上(10.12)

又吉って、と裏書きを見たらピースの又吉だった。
以前この人がテレビで即興のラブレターを読んでいるのをたまたま見て、
文章がうますぎて唸ったのだった。

自由律俳句っていうのかな。「咳をしても一人」みたいなの。
つぶやきのようでもある。
なんでもない日常のワンシーンの様な、心の中のひとりごとの様な。
味わい深い短い言葉が並ぶ。
読む側のコンディション、その時の状況によっても
面白いかそうでないか変わってしまうような微妙なニュアンス。
こういうの匙加減がほんと難しいんだよね。
役には立たない、でも笑いだったりしみじみだったり物悲しかったり、
いろいろな感じが刺激される。
散文がまた味があっていい。
文章全部が面白いわけでもないあたりがまた、詩の部分に通じるところが。
『カキフライ』の最後の又吉の文章は、ちょっと素晴らしすぎだな。
他の本を読んでみたいと思わせる人だ。
蛸足的に一つだけ引用。
「ACミラン対ローソンみたいな色の草サッカー」


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08:31  |  蛸足図書室  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

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