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2012.06.26 (Tue)

本棚:『色弱が世界を変える』ほか

『色弱が世界を変える カラーユニバーサルデザイン最前線』:伊賀公一(11.05)
色覚と言うのは血液型と同じようなもの。
持って生まれた型を変えることは出来ないし治療すべき対象でもない。
色盲・色弱の人が、どのような世界を見ているのか、
口絵のカラー写真でまず驚く。
考えてみれば「赤」と一口に言っても、
自分が見ているものと人が見ているものが同じとは限らないし
それを知ることもない。
え?その差がどうやって分かるの?という疑問はとりあえず置いとくとして(笑)
この本からは色々なヒントが見えてきた。
「言葉と実態」な哲学的な問題やら就職や結婚に関する差別問題に留まらず、
むしろもっと実用レベルの公共デザインの問題なのだ。
信号の色や交通標識など生死にかかわるもの
テレビやトイレの空き表示や仕事で使う付箋など生活しやすさにかかわるものなど
「色のバリアフリー」の視点から考えなおしたい事柄は山ほどある。
自治体や企業の意識の変化と行動が伴うことで改善のスピードは加速される。
そして何かを変えていく、生んでいくのに必要なのは、
色覚のタイプにかかわらず、
その人の中の好奇心やフットワークや考え方や能力知識で
動くことから、それに応えるように様々な縁や運が
呼び寄せられ巻き込まれていくんだなと思った。
カラーコーディネーター1級の試験の件は読んでいてトリハダが立った。

『東京ポッド許可局~文系芸人が行間を、裏を、未来を読む~』
:マキタスポーツ・プチ鹿島・サンキュータツオ・みち(10.10)
ポッドキャストで配信されていたものの書籍化。
お笑いに付いて3人の芸人(周辺にいるインサイドの立場)が掘り下げ語る。
こういうの大好き。
とはいえ私は今のお笑い番組や芸人について普通レベルほどの知識もないが。
「排泄映画」論があまりにも上手すぎて面白い。
排泄映画=泣かせる映画ってことですが、
エロなタームで説明すると、その身も蓋もない感じが異様に分かりやすい(笑)
「手数」論は今の笑いがどこまで細分化されて計算されてるのかが分かるし
「素数」論(ピン芸人)の捉え方の難しさとか、
どんだけ凄かったんだ!と過去のネタを探して見たくなってくる。
面白い批評って、その元を辿ってみたいという気持ちにさせるものだ。
お笑いをスルドク分析して「インタレスト」の面白さが味わえる。
オマケCDと番組サイトで実際の音で聴くと
その場のノリのバカバカしさと、
そのノリから核心を突く言葉が出てくる感じが分かって
さらに面白かった。

『ふむふむ おしえて、お仕事!』:三浦しをん(11.06)
職人・芸人・職業人など特殊な技能をもって働いている女性へのインタビュー集。
各章が短いなと思ったが、どれも内容が濃くて満足。
そしてインタビューする人の中に面白いモノや広いアンテナがないと、
相手から面白いものも出て来ないんだと、この手のものを読むとよく分かる。
好きなものを極める、のめり込む、続ける先に出てくる
「人の為に」という言葉がとてもずっしりと質量があって中身が濃い。
やっぱり何かを作る、考える、実際に動くことを日常的にやっている人の話は面白い。
「現場監督」の章は、そんな優しくてイイおじさんばっかじゃないだろうと思うが。
規模の違う仕事をしてると使う職人もレベル高いってことかもしれないな。

ちまちま細切れで読んでも十分に内容の濃い本が続いた。
ものの味方が変わる本は刺激があって面白い。
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10:13  |  蛸足図書室  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

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