2017年04月 / 03月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫05月

2013.06.05 (Wed)

本棚:『日本人はどう住まうべきか?』ほか

久々の更新。
随分前から読んでいたものをまとめて。
硬派も軟派もいっしょくた。

『もえいぬ 正しいオタクになるために』:嶽本野ばら(12.07)
野ばらさんの本は今まで読んだことはないが、
こういうテーマだと私のようなものがうっかり手に取ってしまう。
自分の仕事をきっちり持っている人が、
ぜんぜん違うジャンルの面白さにのめり込んでいく様を文章にしたものって面白い。
これまでのファンにしたらいきなり
「けいおん!」で「萌」で「ともちん」とか言われてもドン引きでしょうね。
それを捨ててでもオタクの道に進もうというのが凄い。
2次元は所有できない。誰のものにもならない。
重要なのは膨大な情報とそれを捌く能力。
萌とエロと厨二病にロリータと澁澤龍彦。
ちゃんと読ませる文章はさすが。

『マジョガリガリ』:森達也(09.03)
ラジオ番組での対談を起こしたもの。
分量的にはちょっと物足りない。
進むに従って濃くなっていく追記になっている文章を読むと、
著者の背景とかが分かってくる。
エコというテーマは私の苦手なところだが、
短いなりにそれぞれの対談者のいろいろな考え方を
まとめて知ることが出来たのは良かったかな。
辛酸なめ子さんの文章(というか言葉)を読むのは初めての気がするが
ちょっとキモチノワルイ考え方をする人だなあと。

『スピンク合財帖』;町田康(12.11)
前作『スピンク日記』の続き。
前の方がずっと面白かった気がするなあ。
スピンクたちの写真も、今回はフツーに犬っぽいし。
動物エッセイでは読む気にならんなー。

『橋本治という立ち止り方』:橋本治(12.10)
この本は『橋本治という行き方』『橋本治という考え方』に続くもので、
タイトルはすでに考えられていたものだというけど
実際に難病を患って、立ち止まらざるを得なくなったというのが凄いというか。
前半は政治的な話が多く、途中から病気が発覚し、
入院して治療を受けながら書いたもので
時事的な話の中にも、他に様々な個人的な背景が影響してたのがわかる。
病院にいて「病人として生き方を変える」となるところが橋本さんだなと思う。
終わりの方にある「自明の理は自明の理でしょう?」という文章が
もっと普通に通らなければいけないなと思う。
八重の桜でやってる「ならぬものはならぬ」ってことですね。
あえて問いただして解剖するまでもないものまで
フラットな場所に置いてつつきまわすから、わけわからんことになるのだ。

『100均フリーダム』:内海慶一(10.06)
脱力。
こんなものが実はひそっと売られていたのかという衝撃。
「うすうす気が付いている方も多いと思うが、
100均は1センチ以下の作業が苦手である」
という文章に死ぬほど笑う。
私の大好きな赤瀬川原平さんの、
路上観察の面白さは「見立て」にあるのだが
これも、ただ見ないふりをして通り過ぎたいような物をあえてじっくり観察し
そこにある100均的な雰囲気に、言葉を介してのめり込んでいく面白さがある。
「蛇口グラス」「HAPPYアップリケ」とか思わず欲しくなっちゃう。
「猿寿司」「お正月飾り」は現物を見てみたい気になるが、
「瓶の中のなにか」「ギョーザ&ジャム」に至っては
見てはいけないものを見てしまった感がある。

『本当のことしかいってない』:長嶋有(13.01)
パリパリの新刊。
装丁がステキで手に取った瞬間に「読みたい」と思った。
久々に読んだ書評集。長嶋さんのカラーが出てて面白かった。
小説が多く、実際この中から読むものは少ないだろうが、
何冊か読んでみたいと思う本が見つかるだけで、
書評集というのは成功ですね。
筒井康孝のことについて書いた「線の上に」はとても良い文章だなあ。
文芸賞の評が、その小説のことが分かんなくても、
読んでみると意外に面白い、というのが面白かった。

『お変わり、もういっぱい!』:中島さなえ(12.08)
中島らも氏の娘さんなのだそうだ。
文章が面白いのと実話なのにネタがむちゃくちゃなので、
意外にすいすい読んでしまった。

『日本人はどう住まうべきか?』:養老孟司・隈研吾(12.02)
震災後の対談は一部のようだけど、
震災を経て加筆修正されて問題が鮮明になったようだ。
考え方、視線の変え方、刺激のたくさんある本。
建築家は土地の問題から離されている、
コンクリートは信頼の上に成り立っている建築、
全国一律で進もうとするところからくる歪み、
サラリーマン感覚という頭の域を出ない怖さ、
コンピューターで計算できる形へ修正されていく自分のアイディア、
etc.etc...
時間がかかっても、
個別の事象に現場で体で対応していくことが、
復興に向けた一番の解決策なのだと思う。

『物語るあなた 絵描くわたし 萩尾望都対談集1990年代編』:萩尾望都(12.11)
漫画に関する本を読むのが好きなんです。
とはいえ、萩尾望都さんの漫画は本当に数えるくらいしか読んでない。
絵柄が好みじゃないんだなあ。
対談では「漫画が持つ気持良さ、コマの配置による時間の流れ」
なんかが語られてて面白かった。
あともちろん、洋服の線一つのカッコ良さ、気持ち良さを味わう感じとかも。
映画でもドラマでも小説でもない、漫画としての時間や空間の表現がある。

もうちょっとあるんだけど、それはまた次回。
スポンサーサイト
22:52  |  蛸足図書室  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

Comment

コメントを投稿する

Url
Comment
Pass  編集・削除するのに必要
Secret  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://takoashiattack.blog8.fc2.com/tb.php/2252-7dca4caa

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | HOME |