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2014.02.27 (Thu)

本棚:『彼女失格 恋してるだとか、ガンだとか』ほか

キャンサー発覚後に借りてきた本。
情報収集のため&なーんも考えないための本。

『彼女失格 恋してるだとか、ガンだとか』:松さや香(13.6)
普段はあまり見ないルポルタージュの棚をチェックしていて見つけた本。
パラパラめくって、私に読みやすいタイプの文体と分かり、
この人がなんの癌なのかを見る。私と同じ乳がんだ。
普通はしないのだが、目次を丁寧に読んだ。
これから始まる実際の話のアウトラインを知りたかったので。
これを読んだら、
自分にこれから起こるかもしれないことの内容が分かってしまう、
のココロは、
サッカーの結果を知らずに見たいのと同じ心理である。我ながら恐ろしい。
なこと言ってないで、これから起こる事態で慌てないために読んどけよ!
と自分に突っ込む。
読み始めて、文章がまず面白いのでどんどん読みたくなってしまう。
闘病記にありがちな(読んだことないけど)
シメっぽいじっとりと重くうっとおしい感じがまるでない。
押しつけがましい前向きな言葉も一切なくて、
全てが自分の体験に基づいて一喜一憂するリアルな本音と実態が綴られている。
検査・手術・治療はもちろん、仕事との両立、パートナーとの関係、
半端なく出て行くお金、家族や友人の支え、すべて知りたいことばかり。
これから癌と向き合わねばならない人にとって、
最終的に死んでしまう話はまずアウトである。
家族の愛とか絆とか子供の笑顔とか、そりゃそうだろうけどよ。
娯楽じゃないんだよ!
先の見えない状態で、日々の生活の中で奮闘する様子を、
独りよがりではない読ませる文章で書いていく力がスゴイ。
もう爆笑したり泣いたりしながら一気に読んでしまった。
今も彼女が元気に楽しく働いて生きていることが、私の大きな勇気になる。
とりあえずオシッコ青くても慌てないで
「これが噂のブルーレットか!」と笑えるであろう。
もちろん、癌とは関係のない人にも、
面白くて発見のある本だと思うよ。

『乳腺外来の専門医師が書いた 乳がんで死なないために読む本』:廣瀬脩一(11.05)
こちらは専門家による話。
乳がんに関する誤解を説明し、
現在(執筆時)の検診や手術の状況、費用などについて書いてある。
でもこれ、自己診断でしこりを見つけてしまった段階の人が読むと
心臓に悪いような気がする。
乳がんは自分で見つけられるけど、
見つけられたから=早期発見、とも言えないらしい。
検診を受ける前の人、
検診を受けているけどまだ所見のない人や経過観察の人が読むと
自分の中にある間違った認識が改まって安心できると思う。

『偽善の医療』:里見清一(09.03)
再読。
最初に読んだ時「何かあった時の為に読んでおいてよかった」と思ったが
何かあってしまったので、読み直した。
データをいかに使うか、数字の後ろの背景をどれだけ知るか、
ランキング一つ、パーセント一つも、
表に出てしまうとそれだけで勝手に独り歩きしてしまうもの。
中に潜むバイアスに気づくこと、
結果に至るまでには膨大な時間と手間がかかることを知っておくこと、
自分が迷わないように、だまされないように気をつけるために。

『ソーシャルメディア絶対安全マニュアル』:西村博之(13.09)
副題が、トラブルに巻き込まれないFacebook、Twitter、LINEの使い方。
私はどれも使わないけど、
安易に使い始めて設定もデフォルトのままという人も多いんだろうな。
どれもタダでできるけど、
提供する側としては利用してもらうだけで、
利用できるものがたくさん得られるからなんだろう。
場合によっては殺されてしまうようなリスクに至る割合はそうそうなくても
それ以前のトラブルに至る可能性は山ほど潜んでいる。
ネットは、
通常なら知りあうことのない○チガイやヒマな粘着に出会う確率が
格段に高い場所。
そうでなくても、昨日の友達が明日も友達とは限らないしね。

『つまらない人生入門●鬱屈大全』:春日武彦・吉野朔実(11.03)
精神科医の春日さんの手にかかると
中二病もきちんと言葉で表現されて味わい深い読み物になる。
現実の話なのにフワフワと不気味で不思議な感覚。

『孤独の中華そば「江ぐち」』:久住昌之(10.08)
84年に最初に出た本を第1部に、
01年に出た文庫版あとがき
+今回の10年の出版に際してブログから抜粋した日記で構成。
第一部の文章には、
モロに師匠である赤瀬川原平さんの文章の影響が出てますね。
こっそり店内で観察しながらコソコソ仲間同士で笑い合っている内容を
そのまま本にまでしちゃいながら、
出版後に店に行ってからのビビり加減が凄すぎる。
不惑を過ぎてもそのへんはあまり変わらないのね。
mixiやTwitterでいつでもすぐに情報が入って来てしまう寂しさは
なんか分かるなあ。
仲間内だけで盛り上がるネタとして熟成していく醍醐味も
スピードと関与する人の多さで平たんになっていく気がする。

『知っておきたい乳癌』:関口礼子(07.01)
ぱらぱら見た時は、医師の書いたものかと思ったが
大学の先生による体験記だった。
職業柄なのか文章は分かりやすく整理されていて
一般的にどんなことがあるのかをざっと見るのには参考になる。
07年に出版されているので、今はもっと違う状況であるだろうけど。
病室にいた他の患者の状況を見ても、人それぞれだな。
私の気になる術後の治療についてはほとんど記録がないのが残念。
あとがきでいきなり1年後の検診、と書いてあって
職場との両立などその間にはこれという問題はなかったのかと。
第5章は著者自身の研究テーマと絡んだ話。
いきなり「女性の改姓」について項を割いて熱く語るところは、
乳がんと関係なさ過ぎて違和感が。
著者は、患者も情報収集して
(幸い、今はネットであらゆる情報にアクセスできるから)
自分で責任を持って治療などを選んでいきなさい、と書くが
突然目の前に自分の病気を付きつけられて、
そこまで冷静に自己責任で対応できる人ばかりではないだろう。
他の人には任せられない専門職でバリバリ働いている女性が
乳癌にかかったら、共感できる部分もあるのかもしれない本。

『身体のいいなり』:内澤旬子(10.12)
非浸潤性の乳がんにかかった著者が、
左→右と切除の後、全摘、再建に至った経緯。
その間の日々の生活、癌にかかる前の身体の不調の数々、など
読み応えのある本。
自分のその時々の状況に応じて読みなおしたい。
副作用に苦しみながら新聞小説の仕事やルポを続けていく力がスゴイ。
でもやっぱ日ごろから運動して
身体を基礎的な体力のある良い状態にしておくって大事だと思った。

『僕らの新しい道徳』:岡田斗司夫・FREEex(13.08)
最近は出てからほどない状態で読んでいるので、
岡田斗司夫の考えが進んでいく様子が分かる。
「道徳」というテーマで、いろいろな視点から対談を通じて探っていく本。
自分の知らない世界をさらに突っ込んで見せてくれる、隅々刺激的な本。
「倫理と道徳は違うもの」
「富ではなくこれからはリスクを再分配しなければならない」
「トップを挿げ替えることで納得してしまう世間」
「合理性」と「損得教」
一つの答えでまとめるには大きすぎる。
小さな単位を良くするために必要なものが何なのか。
ヒントがたくさん詰まった本。
最後の東氏の言う「25年後のフクシマ」は、
いきなり25年後に飛んで、
その間にある無数の地道で危険な作業のことに
どれだけ関与していくのかが見えず
ものすごい違和感を感じる。

『この世でいちばん大事な「カネ」の話』:西原理恵子(11.05)
持っている言葉の重み、強さ、濃さが違いすぎる。
説得力のある言葉ってこういうものだ。
頭で考えず、体を使って知っていくことはとても大事だが
ここまで大きく振れた生き方をするのは難しい。
でもそれをやった人の言葉から知ることはとても多い。
身に染みた金銭感覚が、自分を守り強くする。

最後は、またちょっと考えるくらいの余裕がでてきた、
かのようなラインナップでした。
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11:41  |  蛸足図書室  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

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