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2015.01.18 (Sun)

本棚:『夜市』ほか

ジョナベルのメンバーたちからもらった小説を読み終わって
しばらくして、自分がこれまで読んでいたような本を手に取ってみると
どんだけ即物的なものを読んできたのかと、あきれてしまった。
でも小説を探すのは難しい。
なんかおすすめがあったら教えてください。

徐々に時間が経つ中で、
ゆるゆると再び読み始めた本の数々をご紹介。

『捨てる女』:内澤旬子(1311)
全体的に面白いのだけど、内澤さんの文章はどこか重たい。
誰もが捨てればすっきりするわけではないのね。
豚との生活を書いた本はそのうち読むつもり。
『体のいいなり』の時に暮らしていた旦那さんとは別れたようだ。
なんでこんな人と一緒にいるんだろうと思ってたので安心した。

『醤油と薔薇の日々』:小倉千加子(13.06)
彼女の、ぽんと飛躍する文章が好きだ。
短い文章の中に、ひらめきがたくさん詰まっていて、
意識するより先に気持ちよく納得してしまう。

『路傍』:東山彰良(08.02)
小説。『さすらい』に続いて読んでみた。
さすがにどこまでポップで片づけていいのかわからなくなってきた。
どこまでが悪ふざけで、いたずらで、金のためで、
どこから超えてはいけない線なのか?
この状況で、その程度の感覚なのが、途中で怖くなってくる。
この年齢でこの生活というのがリアルなのかも私にはわからない。

『とりあえず今日を生き、明日もまた今日を生きよう』:なだいなだ(13.06)
なださんが亡くなっていたことを、図書館で別の本を手に取った時に知った。
亡くなる前日まで、ブログの更新を続けていたらしい。
大学生の頃、古本屋をめぐってたくさん読んだ。
何十年も前から、なださんは日本が管理社会になってると嘆いていた。
またひとり、まっとうなことを平易な言葉でかける人がいなくなってしまった。

『女子の遺伝子』:よしもとばなな・三砂ちづる(13.03)
子供を産むということを、体に近づけて考え、感じ、体験することの大事さ。
なぜ男と女が違う性で、違う体を持っているのかをちゃんと考えること。
頭の中で、どんだけ「人間なんだから平等」と言っても、
元が違うのだから理屈だけで通すのは無理がある。
身体の声をきく、こういう本は大好き。

『治療するとカワイクなります―生きがいの精神病理―』:大平健(13.01)
自分の思考の迷路から抜けて、
ほんのささいなきっかけが引き金になっていたことを知る。
迷いが晴れて、大したことではなかったと気付くと、
物事はずっとシンプルに見えてくる。
でもこの本に出てくる人たちは、
みんな自分から何かを変えようと思って診察を受けにやってきた人たちなんだよね。
そこまでの行動に移れない人の方がずっと多いんだろう。
世界はいつまでも閉塞感があって不満ばかりがくすぶっているのだろう。

『島へ免許を取りに行く』:星野博美(12.09)
必要があってというよりも、今の生活のやり直しのために
免許を取るということを選択する。
始まりがそこなので、教習所の選び方や、
五島という場所にある教習所での生活など
思いもよらない話が次々出てきて面白い。
文章力を持った人が、免許を取るということ一つに四苦八苦すると、
本1冊できるほど、見えるもの考えることがあるんだなと感心する。
出てくるキャラクター(実際にいるんだけど)も味があるし、
長崎の言葉が柔らかくて、それを読んでいるだけでも気持ちがいい。

『ある一日』:いしいしんじ(12.02)
小説、ではあるけれど実話。
この人の文章のもつ空気、選ぶ言葉が心地よい。
男性の側から出産の経験を描写すると、
とても神聖で壮大で神秘的、
なんだけどちゃんと体という物理につながっている。
数多くの出産を見てきた医師や看護師の言葉は
現場で何よりも心強いな。

『衣もろもろ』:群ようこ(12.10)
服にまつわるエッセイ。
いくつになっても悩みはつきない。
加齢・体型が変わるという要素が加わるとなおのこと。

『FOK46 突如40代でギター弾き語りを始めたらばの記』:大槻ケンヂ(14.03)
あんなに魅惑的な曲と歌詞を作るケンヂ君が、
実は何一つ楽器ができないのでヴォーカルをやっている、
というのは不思議な気もする。
楽器屋に行く、町のスタジオで練習する、
ライブハウスやフェスで弾き語りをやる、
赤裸々すぎて面白い。
アコギの素材の違いによる匂いに関する文章は新鮮だった。
RYUMEIさんのギターはどんな匂いがするんだろう?

『夜市』:恒川光太郎(05.10)
ポルカドロップスさんのブログでおすすめされていた小説。
ものすごく、素敵な本だった。
ヘタするとオタクくさくなりそうな設定も、
言葉選びの巧みさでとても雰囲気のある世界になる。
しばし入る「約束ごと」が気にはなるけど、それが物語を進めるうえで
大事な意味を持つ。
決して、都合のいい「設定のための設定」にならないようなバランス。
全体に漂うほの暗さがとてもいい。
もっともっとほかの作品を読んでみたいと思う。

『テッカ場』:北尾トロ(10.09)
久々のトロさんの本。相変わらず、いいルポ書くなあ~。
「マニア雑誌のフリーマーケット」はほほえましくココロ温まる現場でした。
どんな小さな世界にも、
そこを主軸にして日々を熱く過ごしている人々がいるのね。

『オレって老人?』:南伸坊(13.06)
あちこちの媒体に書いた老いに関する文章を集めた本。
整理ができてないので初出一覧が作れない、とか
だいたい30年くらい前、とか
のような、だったような気がする、なあいまいな言い方とか、
もう細かいこといいじゃない、な姿勢がおかしすぎる。
「アノホラロボット」の話が最高にイイ。
年を取ってからの話し相手として開発を強く求めたい。
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00:14  |  蛸足図書室  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

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