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2015.10.15 (Thu)

本棚:『少年アヤちゃん焦心日記』ほか

最初の本を読み終わったのは、もうかなり前ですね。
この記事も途中まで書いて放置していたので、
若干、文章のテンションに開きがあります。

『少年アヤちゃん焦心日記』:少年アヤ(14.07)
久々に、面白いと思うブログ日記本に出会った。
書いてあることもそうだけど、
私は文体(どのように書くか)により惹かれる。
おかまと自分をレッテル付けすることで
ある程度の方向を定めたつもりが
自分の中の気持ちを抑え込めずに
迷いもがき気付き受け入れていく。
内容のとんでもなさと、どこか客観的で距離感のよい軽い文体。
好きになった相手に向けるパワーの凄さに
ぐいぐい引き込まれて読み進めてしまった。
最初の暴走が徐々に私小説的な方向へ流れていく感じもイイ。
べたついた重さを感じずに、
誰にもあるかもしれない自分の中のもやもやした部分、
隠していてもいい部分を見せている。
これはやっぱり女性には書けない文体だと思う。
面白い、と一言で言っていいのかアレですが
すごく面白いです。

『不機嫌な夫婦 なぜ女たちは「本能」を忘れたのか』:三砂ちづる(12.09)
身体の声を聞く、という話は面白くて好きだ。
男性・女性両方に読んでほしい本。
パートナーがいることで満たされて収まっていく問題。
赤ん坊が出すサインをちゃんと汲んで気付くこと。
自分の身体の持つ力を引き出すこと。
一昔前であれば自前に出来ていたであろう能力が無くなっていること。

「昔の状況が今より良いとは言わないが」、
「人によって環境や能力は様々で一概に言えることではないが」、
「自責の念も込めて書くが」、
と、本の中で何度も繰り返して言わねばならないほど、
頭でっかちな理論武装勢力に対抗していくのは難しい。
(偏った過去の認識からくる攻撃性と、
身体的なものに基づく体験値を貶めて
社会学的な見地から反論していく余裕のなさなど)

もっとお互い優しくしあって、身体でふれあっていれば
頭で作ったストレスで、身体をおかしくすることもないのに。
生活の知恵って、存外意味があるんだけど。

至ってまっとうで安上がりなことなんだけど、
でもそれじゃ経済は回っていかないんだよ、って
そんなに身体を狂わせてまでお金で社会を回すことが大事なのかね?

『荒野の古本屋』:森岡督行(14.03)
好きを仕事にすることは難しいと思うけど、
それでも好きを抱えて生きていると、
少しずつでも前に進むのかな、と思える本。
「一誠堂書店」での仕事の覚え方に唸る。
効率を優先することだけが、仕事ではない。
時間がかかっても、地味で地道な作業の積み重ねの中で、
目に入ってくるもの、知ること、気付くことのすべてが
自分の仕事の知識やスキルを高めていく。
手で覚えていく、体で覚えていく仕事の重要さを思う。
同時に、それを知っている、きちんと指導する先輩たちの存在のありがたさ。
見ている視野の広さに呆然とする。

『5アンペア生活をやってみた』:斎藤健一郎(14.09)
勤務地の福島で被災したことから始めた5アンペア生活。
数値化することで、現実的に、効率よく電気を節約していく道が見えてくる。
どうやって5アンペアにまでたどり着いたのかが、
ちゃんと実践して記録されているので、
いきなり5アンペアは無理としても、
自分でできそうなことを取り入れるだけでも、
世の中変わるかな?と思えてしまう。
冷蔵庫をやめたくだりはちょっと感動。
でもさすがにそこまではできないよなあ~。
扇風機の偉大さにも目からウロコ。
ちなみにのもん家は20アンペアで生活しています。

『縁もたけなわ ぼくが編集者人生で出会った愉快な人たち』:松田哲夫(14.09)
赤瀬川原平さんが好きなので、
松田哲夫とその周辺の人たちの本もおのずと読んでいる。
そこに引っかからなかった人たちで、
名前だけを知っている作家や著名人も多く登場し、
そこからまた読んでみたい本が見つかっていく。
松田哲夫さんの仕事の記録・交遊録ならば
優れたブックガイドになるのも当然ですね。
南伸坊さんの、人柄がふわりと香るような似顔絵がとてもいい。

『竜が最後に帰る場所』:恒川光太郎(10.09)
長いこと他の人に借りられていたので、
前の本からだいぶ空いてしまった。
短編・中編ホラー集という雰囲気。
過去の作品にあったようなテーマ、読んだことがあるような状況が重なりつつ、
別個の作品として楽しめた。
「夜行の森」は「秋の牢獄」と「神家没落」がリンクしたような話。
「鸚鵡幻想曲」は、最初の設定ありきの話ではあるけど、
そこから展開していく世界は恒川ワールドそのもの。
気持ちよく遊んだような感覚になる。
毎回出てくるロクデナシの描写が、少々重く感じられるようになってきた。
怖いのはストーリーよりも、人間のバカヤロウの方だと、彼の作品を読むと思う。

さて次の本を、と思ったら
地元の図書館が大規模改装工事に入り、
来年の3月末まで通常営業しないとのこと。
リクエストや予約本の受け取りはできるらしいが。
そんな決め打ちの本ばかり読んでも。

市内の図書館の中では、ココが一番、私の好みに合っているんだよなあー。
読みたいと思う本が多く、しかも早く入ってきてる印象。
広さも手ごろで、普段は手に取らないような本にも目が届くし。
棚をうろうろする至福の時間が、歩いてすぐのところにないのは辛い。むー。
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テーマ : 最近読んだ本 - ジャンル : 本・雑誌

09:51  |  蛸足図書室  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

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